Rir6アーカイブ

2003-11-10


[異論]日本という国は本当にバランス感覚だけは優れてるなぁ

ふと思った。

結局今回の選挙ってのは「何も変えない」という事を国民が指向しているという事を明確に示した選挙だったのかねぇ、、、

もし自民党がもっと多く議席を取れば、自民党は小泉改革(痛みの伴った構造改革+日本のナショナリズム復興)を更に推進する(それが改良か改悪かは別として)だろうし、もし民主党が議席を多く獲得して政権を自民党から奪取する様なことがあれば、それは必然的に混乱を招くだろう、そしてその結果民主党に居る右派か左派どちらかが権力を握り、日本を彼らが理想とする方向にもっていこうとするだろう。

日本国民はそのどちらも選ばなかった、彼らはまるでテレパシー能力を備えているかのような見事な連携(日本の人はそれを「空気を読む」という)で、票を無意識のうちに操作し、自民党を後一歩の所で野党になってしまいそうになる(しかし実際は絶対野党になることはない)場所に持っていき、民主党を政権与党の地位に後一歩踏み出せば行ける様な場所(しかしこれも実際は絶対に政権与党の座に就くことは出来ない)に持っていった。そしてその結果、どちらの陣営も過激なことは絶対に言えない立場に追い込んだのだ。

大体投票率が全国平均で59.86%という事実からしてもうこの様な結果は最初から予想できた。日本国民は政治に関心を持っているという事を政治家達に知られたくなかった、実際は今の状況の"安定"を守るために政治に参加したかった、しかし今のようなマスコミによって作り出された「改革絶対必要!」という雰囲気の元ではその様な事を言う人は殆ど居ない(「護憲」とかは違うの?という声が聞こえてきそうだが、今の状況では日本国憲法に無理に手を加える様なことをすれば、(たとえそれが廃止でも保護でも)必ず今日本を支えているシステムを壊す事に繋がってしまう。。。だからもし国民の支持を得ようとするならばここでは「放憲」、つまり「憲法を放置する」という態度が一番良かった)、その様な中で安定を生み出すために出来る事と言えば、やはり棄権という"行動"しかなかったのである。

マスコミは盛んに日本の危機を煽り、(左右の違いなどはあるがどちらも)改革の必要性を訴えた。しかし結局の所、例え失業したって三食昼寝付きの人生がおくれる高度な社会福祉が未だに続いている国で、改革あるいは革命の必要性を訴えることがどだい無理だったのだ、よく2ちゃんねるの極東板に拉致被害者の帰還のため北朝鮮に対して強硬政策を取ろう!と演説している輩が居るが、結局拉致という現実は一部の地域の住民以外には所詮「テレビの中の現実」でしかないし、その様な物の為に今の安定を捨てるような正義感(ま、これが良いか悪いかは別にしてだな)は多くの国民は持ち合わせて居ないのが現実なのだ。(別にだからといって「日本国民はきちんと正義感(=大和魂?)を持たなければならない!」とかいうつもりは更々ないけどね)

多分未来の論者達は今回の選挙のことを「問題を先送りにした選挙」として非難するだろう、だがその指摘は一方では正しいが、しかし先送りにせざるおえない状況がこの時代にはあったという事をあまりに軽視している。問題は顕在化する前に叩けと人は言うが、何も表面に出て来ていないのに「ここら辺に問題がある事は間違いない」という理由でここら辺を全て叩いてしまったらかならず後に無駄な痛みが来る。問題は顕在化した時に叩くのが一番良いのかもしれません。(まぁ、そのような方法も時には失敗もあるが、、、)

マスコミは今度の選挙を「政権選択選挙」と言って盛んに煽っていた、しかし結局は「政権"未"選択選挙」だったのだと、僕は思えてなりません。

(一応言っておくと、僕はこういう「何も変えない」態度は嫌いです。ただ民主主義があくまで「最大多数の最大幸福」を目指す政体である以上、僕みたいなマイノリティを加えていたら最大多数の幸福が達成できないでしょうから、今回の事で文句を言うつもりはありません。第一僕はまだ未成年ですからね、、、) http://senkyo.nhk.or.jp/senkyo.html