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[言及]君はまず「君の目」で物を見なくちゃいけない（オレモナー）

http://d.hatena.ne.jp/kajuntk/20080902/1220341668

なんで心の調子が悪いときにこんな文読んじゃうのかなーと、自分でも後悔しているんだけど、なんとか無理をおしてエントリーを書く。

といっても調子も悪いし時間もない（23時からまたコンビニの夜勤なんだよ）ので、手短に。

矛盾点や間違っている所を挙げようとすれば、それこそ山のように挙げられる文だし、事実そのような批判もすでにある程度上がっているので、それは省いて、単純に僕が思ったことを書く。

それで思ったのは、「この人は結局、『自分の目』で物を見れないんだなぁ」ということ。

この人の語りをとりあえず信用すれば、この人は「僕は自分の落伍を社会や家庭、親や学校に責任転嫁したかった。」ために「社会問題」に関心を寄せて、ドヤ街とかをフィールドワークしたけど、そこで誰も「革命なんか望んじゃいな」くて、「不満を垂れ流し欲求不満の捌け口が欲しいだけ」なんだと気付いたと。で、それを彼は革命を望んでいたから失望して、そんな奴らは国家や社会の何の役にも立ってないから助ける必要もない、そう語るわけだ。

で、そんな奴らはむしろガス室に送ってしまうか強制労働させろと、そう主張するわけだけど……

じゃあ君は、その付き合ったホームレスや労働者たちを、自分の手で殺せるの？

「今の日本では犯罪になるから」なんて言い訳は無しだよ。だって、何で犯罪になるかと言ったら、それはあんたが絵空事と笑う「人権」を守るためにあるんだから、そんな法律に従う道理はないでしょ。何だったら、もっとハードルを下げて、こういう思考実験にしても良い。絶対に証拠が見つからない完全犯罪で、あなたが付き合っていたホームレスを絞め殺す方法を見つけた。さぁ、あなたはそのホームレスを殺せる？

まぁ、出来るわけ無いんだよね。それが出来ないから、わざわざガス室なんてことを言ってるんだから。相手の顔を見ずに相手を殺せる。国家が自分の代わりに手を汚して、自分の望みを叶えてくれる。あなたの望みって、結局そういうことでしょ？

ふざけんなよ。逃げんじゃねぇよ。

あんな奴ら生きてたって国家や社会のためにならない？ほー、そーかい。だったらその迷惑を被ってる「国家」さんや「社会」さんとらを今すぐここに連れてこいよ。もちろん出来ねぇよ。そんな奴いねぇんだから。「国家」とか「社会」なんてものは、結局あんたが絵空事と批判する「人権」とやらと同じもんなんだから。どこまでいっても本当に居るのは、あんたや僕、そしてそのあんたの目の前に居たホームレスのように、一人一人の「個人」でしかねぇんだ。あんたは絵空事を笑い、「自分がフィールドワークで知った真実」を元に、「ホームレス」という属性を殺せと叫ぶ。だが、本当に「自分の目」であんたがいた場所をもう一回見てみろ。そこには「ホームレス」なんていやしない。いるのは「ホームレスで社会に対する愚痴ばっか言っている○○さん」や、「ホームレスだけどプライドは持っていて付き合いにくい△△さん」なんだよ。そしてそいつらによって「迷惑」とやらを被っているのは、「国家」や「社会」なんかじゃない。「おまえ」なんだよ。その迷惑は「おまえ」の迷惑であり、そしてその「迷惑」をかける誰かを憎く思うのは、あくまで「おまえ」なんだ。その気持ちは「おまえ」が何とかすべきものなんだよ。「国家」に頼るんでも、「革命」に頼るんでもなく、「おまえ」が、「おまえの目」で見たことをもとに、「おまえの手」でなんとかしろ。

ホームレス論争について

ホームレスと図書館の論争については、もっと長い文章を書くつもりだったけど、ほんとになんかそんな気力がないのでこの一文で答えとする。

「ホームレスの臭いがそんなに嫌なら、自分で別の場所に移るなり本を借りて家で読むなりするか、自分でそのホームレスに抗議するなりしろ、『お上』に助けを求めるな」

それに尽きるんじゃねぇの？そりゃ耐えられない臭いなんて言うのも存在するかもしれないけど、ある図書館にすごい臭いのきつい人がいたとして、その図書館全体でもう耐えられない臭いがするなんて事態は、あるのかな？なんかある人に

この二人を悪臭がひどい方と一緒の箱に入れて読書をしてもらって逃げるか逃げないか見たらいいのではないだろうか。

なんてことを言われたけど。そりゃ図書のスペースにそんな「箱」程度のスペースしか用意してないんだったらそりゃ「図書館」の怠慢でしょう。でも、そんな図書館あるんでしょうかねぇ？

「公共」の場というのは万人の物である以上、自分が他人の何かに不快さを感じたとしても、その他人を即刻排除するんじゃなくて、なんとか自分でその不快さを抑えなくてはならない。そしてその自分で出来ることが限界に達してこそ、初めて「お上」に頼ってその人間を排除することが出来るんだと、僕なんかは思う。なんか普通すぎてごめんなさいね。

まず「自分」と「その周り」を見て、そこですべきこと／できることを考えよう

にしてもなぁ……まぁ、これは自戒を込めて言うんだけど、みんななんでそんな簡単に「私」というものを捨ててしまうんだろうなぁ。

「国家のため」とか「社会のため」とかみんな言うけどさ、そんな目にも見えないもののためにがんばったりする前にさ、もっと「自分」や、「自分の周り」に目を向けようよ。まず自分と、その周りに居る人が幸せになるというのが第一の目的であってさ、「国家の繁栄」とか「社会の安定」なんていうのは、そのための数ある手段（しかも、割と効率の悪い手段）の一つに過ぎないわけでさ、その手段ばっかりを追求して、自分やその周りが見えなくなるって言うのは、まさに本末転倒なんじゃないの。

ここで話しを強引に広げればさ、世の中には「陰謀論」なんていうものがあって、それを信じている人や信じていない人の間でいろんなバトルが繰り広げられているよね。「9.11はアメリカの自作自演だった！」とか、「世界はユダヤに操られている！」とか、「第二次大戦は共産主義者の陰謀だった！」とか。そしてそれらに対する反論も数多く出されているわけだ。

でもさ、僕は思うんだよ。そんなこと、僕たちが生きるに当たって、何にも関係ないことじゃないかって。

9.11はアメリカの自作自演？おー、それはすごいねぇ。で？それを知って、その陰謀を告発することで、君は幸せになれるの？何で？

結局さ、9.11はアメリカの自作自演だろうが、そんなこと何にも僕らには関係ないことなんだよ。そりゃあ水は答えを知っているかもしれないよ。でもその答えを結晶の形で出されたって、僕らは結晶なんか見ないし、靖国を残すか国立施設を新たに作るかとか聞かれても、そもそも死んだ人は見えないから意味が分からない話なわけ。

「政治」とか「思想」とか、そんなことはあくまで、「私」が幸せになるための手段であり、そしてそうである以上、その出発点は、どこまでいっても「私」でなくちゃいけない。「私」を出発点に出来ない議論なんてものは、結局何か結論を得たいんじゃなくて、「そのことについて語っているという私」に自己陶酔しているか、「そのことについて語る」というコミュニケーション自体が目的なんじゃないかと、最近、そんなことを考えます。